中学生の不良化1

はじめに

中学生になると一部の生徒に不良化が観測されます。その原因は多種多様とされていますが、兆候や外観はパターン化されており外部からの判別・推察は容易です。


不良の特徴

家庭不和

不良の多くは家庭環境に問題があります。通常不良になる前に、その事で生じるであろう世間体の低下を考え、思い留まるはずなのです。そこから判断するに、家庭が既に世間体を気にするまでもない状態に陥っているものと考えられるのです。

逆に世間体の低下をもって家庭に報復するケースがあります。一見何の不自由もない幸せな家庭の子が不良となるパターンがそうなのでしょう。

負け組ムード

不良化の一つに挫折後の姿を見る事があります。何かしら大きな力の前に心が折れてしまっているのです。理想と現実のギャップに嘆き、立ち往生しているのです。従って本質的に負け組であるわけです。不良化とは、内心における負け意識への最後の抗いを暗に表しているのかもしれない。

集団行動

不良は同じ意識を共有できるグループに属したがります。これはもう単純に、それ以外の人が付き合わなくなってくるからです。また家庭環境等が破綻していると、本当に平穏に生活できる居場所が無い場合があります。そして集団心理により、反社会的な行動がエスカレートした結果、犯罪を誘発する事も少なくありません。


中学生の不良における典型的な事例

中学生の不良における典型的なパフォーマンスや発作について見てみます。

自転車の改造

不良のもっとも初期段階として、自転車の改造が確認されます。ハンドルを極端に前傾させ、牛の角のように立てるのが流行しました。 パフォーマンスとしての色合いが強いため、車体の中でも動きを伴うハンドル部が選ばれています(人間の視線は可動部をまず無意識に捉える為)。 動物の角を模倣しているならば、他を威圧する時の姿勢と通ずるものがあります。

茶髪

不良の最初のステップとして茶髪があります。大多数の中学校において校則違反とされるため、それだけで高校進学の意志が無い事を前提に振る舞っているという事を内外に知らしめるイイ目印になります。ヤクザの入れ墨と同じような心理効果でしょうか。

では茶髪の何が悪いのか?おそらくそう聞かれると答えに窮するのではないでしょうか?実際、現代社会ではそれなりに市民権を得ています。となるとやはり、 中学生における茶髪が何を意味するのかという事になってきます。

ピアス

近年見られるのは男子生徒のピアス装着です。中には穴を空けている子も居ます。茶髪に対する抵抗感が低下して昨今において、ピアスが新しい不良のイメージとして急速に台頭してきました。

怠惰な姿勢

相手を見下した態度を取る事で、自分の方が上であると表明しています。いわゆる「なめんなよ」です。やや挑発的な態度を取る傾向があります。

また無気力なスタンスは、上昇志向という美学を真っ向から否定するという意味合いもあります。以外にも無気力な姿勢を維持する為に、努力しているフシも見られます。

喫煙

パフォーマンスとして効果があるために好んで行われます。家庭において受動喫煙を強いられている子どもは、抵抗なく喫煙者になりえます。

受動喫煙とその健康被害については当人たちも薄々感づいています。家庭において堂々と喫煙をする親は、子である自分の健康など眼中に無いと。すなわち愛されていないと。その現実から逃避し、親からの愛を確かめるように、自身も親にならって早期に喫煙するのです。


学校内でのスタンス

学業への否定

中学における学業の主たる目的は、大別して二つあります。表向きは義務教育。そして現実的には、成績上位~中位者の高校進学における選別です。高校進学が当たり前となった今日、前者は完全に形骸化しています。つまり進学率が高まった結果、生徒間の過当競争を煽らざるえず、 その結果としての落ちこぼれの発生を黙認しているのです。

ついてゆけない授業を、これまた進学の見込みも無い不幸な環境の子が、どうして頑張れるでしょうか?

部活動への不参加

中学における部活動は、学業以上に人物の評価目安となります。たとえ学業で頓挫していても、部活動で挽回する生徒は多いのです。

異性交遊

一般的に家庭内のモラルの崩壊や愛情の欠如による心理的な影響により、圧倒的な確率で性衝動が強く、性経験も早くなる傾向が観測されています。

また将来への悲観から逃避的に行われる傾向も確認できます。ストレスと生存本能の因果関係は、戦時にも見られます。

授業妨害

授業が嫌いで安易な妨害なら理解できますが、そう簡単で無いケースが多いです。発作的に生じる場合が多く、教師に危害を加える事もあります。暴走とも言える行動の背景には根深い問題が隠れていると思われます。